『いくつもの週末』江國 香織 (著)
結婚に関する本、というテーマで友人が紹介していたので読みました。
読み進めるうちに、
パタリと本を閉じて、目を閉じて、
体中の力が抜けていくのがわかりました。
ほっとして、
あぁ、それでいいんだよなぁ、と。
1ミリも、男性的な要素がない、
オンナ100%の筆者が描いた結婚生活。
それでいいんじゃない。
とても素敵だし。
私は一体、何に対して、そんなに意気込んで、
何に対してそんなに強くあろうとしていたのか、
全然わけがわからないな、と思ったのです。
それでいいんだなぁって思ったら、
体のどこかに無意識にかけていた力が
どっと抜けてしまった。
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結婚してから生活が色つきになった。
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深夜お風呂のなかで本を読んでいて、急に恐怖にかられてすくんでしまうことがある。
そういうとき、お風呂場の戸と洗面所の戸を両方あけ放つと、
廊下をはさんで反対側の寝室から、夫のいびきがきこえてくる。
とたんにほっとして、一人ではないのだとうれしくなる。
色つきというのはたとえばそういうこと。
日曜日の午後、寝てばかりいる夫を起こそうと揺すったりひっぱったりするうちに、
私も隣にくっついて寝てしまい、夕方おそく、ほとんど暗くなってから、
すっかり寝たりた子供のように、寂しいような満ち足りたような奇妙な気持ちで一緒におきる。
なんとなくきまりが悪い。二人ともおなかがすいていて、それからおいしいものを
食べにでかける。色つきというのはたとえばそういうこと。
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夫がごはんを食べているあいだ、私はそばでみている。
新聞を読んでいるあいだは、そばで本を読んでいる。
夫がテレビをみていれば、そばでピアノをひいている。
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ちょうど、『疲れすぎて眠れぬ夜のために』内田 樹 (著)
を読んでいました。
そして、はたと納得してさらに楽になりました。
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女性はこれまで、権力や社会的成功というものに、
あまり価値を認めないという生き方をしてきました。
そういうものと無関係なところで生きて、男たちが必死になって
社会的成功や金や権力を求めている姿を「何やってんだろう、この人たちは」と
さめた目で見てきたという側面があると思うのです。
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高い地位や高い賃金を求めて、寝食を忘れ、家族を顧みずに
がりがり働くお父さんに対して、「そんなことどうでもいいじゃないの」
「それよりもっとおいしい物を食べてほっこりしましょうよ」というお母さんがいて、
二つの価値観がせめぎあうという形で伝統的な家庭はバランスをとって来たはずです。
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ところが、今の女性たちが求めている「社会進出」というのは、言い換えれば、
女性が男性的な価値観の「対抗軸」でもなく、「批評的」立場でもなく、
むしろ、これまで女性が持ってきた批評性を放棄して、男性的価値観に一元化しつつある、
というふうにも言えると思います。
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こんな年になって気がついたのです。
力をいれずに入られない、緊張状態の不自然な自分をつくってきたのは、
まさに、自分自身だったのかと。
いろいろ、
ばさばさ、ボロボロ、
とれていきました。
まったく別の本なのに、
今の私には強烈な2冊でした。
転機が訪れた。
新しい自分へ。