「おまえらの知識なんて、校庭の蟻んこみたいなもんだ。」
中学生の頃通った
台所があるマンションの一部屋の、
小さな学習塾の先生の言葉。
今となっては、大宇宙の中の蟻んこなんではないかと思うほど
あまりの自分の無知さに慄くことが多い。
今日、テレビを見ていたら、天皇陛下が何かスピーチしていた。
「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、
水産庁の研究所に寄贈したもの・・・
食用魚として期待が大きく養殖が開始されましたが、
今このような結果になったことに心を痛めています」
なんか、とんでもないことを仰っているような気がした。
その淡々とした、何事もなかったかのような
映像の進行具合にごまかされそうになったけれど、
いやいや確実にショッキングなことだと思い直した。
天皇さまったら、外来種を持ち込んでしまったのだ。
今、在来種の危機が、環境問題を語る人々の間で騒がれている。
私達人間は、あの、中学のときの生物の時間に習った
三角形のピラミッドの「食物連鎖」の頂点に立っているんですけど、
それって言い換えると、多様なる命を土台にして生きているわけなんですね。
種が絶滅するってコトは、それを食べて生きている種が絶滅するかもしれなくて、
それがめぐりめぐって・・・って言わなくても分かるでしょ。
簡単な例を挙げると、タヌキ。
日本のタヌキは、その命をアライグマに脅かされてるの知ってます?
昔々アライグマの何たらという漫画が流行った時期があって、
そのかわいらしい姿にすっかり心を奪われたペット好きな
日本人は、輸入しましたアライグマを。
程なくして気がつきます、そのあまりの凶暴ぶりに。
そしてすっかり手に負えなくなって森に放します。
そもそも肉食である強いアライグマは、
競合する在来種の、タヌキという種の存続を脅かしています。
種の絶滅は、人間による乱獲も一大直接要因なんですけど
外来種によっても引き起こされるんです。
でも外来種がなぜ問題を起こすかといえば、それは
ペットブームとかそういう人間の単純な欲望による「人為的な移動」が
結局は原因なのです。
お魚もお花もそう。
国際的にそういうのが問題視されて、ワシントン条約というのがあるんだけど
需要があるところには、どうしたって法の目をくぐりぬけて、密輸されるんですよね。
そういうことですから、天皇陛下の告白には驚いたわけなんです。
でも、だからといって責める気にはなりません。
だって知らなかったんだから仕方ない。
でも、知らないってなんて恐ろしいことなんだろうって
思いました。
物事の一側面しか見ないで、
それを「よし」として突き進むことの恐ろしさ。
イラク戦争もそうでしたけど。
良かれと思っていること、当たり前にしていることの
裏側に隠れている事実をもっと知らなきゃいけない。
あぁなんて知らないことだらけなの、この世の中は!!
でも、無知の知よりがんばりますわ。
敬具